先週は特別擁護老人ホームえいめいでワークショップをして、今週は民族舞踊ワークショップと琵琶の響きと平家物語の世界を受講。

 

10月はザハーロア&レーピンの公演で超久しぶりにバレエを、Optoで渡辺レイ、小㞍健太、湯浅永麻らによるヨーロッパ仕込みのバリバリのコンテンポラリーダンスを拝見しました。

 

関係筋によるとレーピンは温泉好きなので今年も前橋公演が実現したらしいです。草津温泉に何度も来てるとか(本当か?)。去年公演があった札幌と名古屋が今年はなくて、前橋と東京の2ヶ所だけだったのはそういう理由によるものだったようです(本当か?)。この公演に出演した女性ダンサーはザハーロアひとりでしたけど、タイプの異なる作品をいとも簡単にこなしてるように見えて、それはそれですごかったのだけれど、共演の4人の男性ダンサーがこれまた体型もダンスも四人四様で、ロシアバレエの底力を見せつけられた公演でした。

 

Optoはスタイリッシュな3作品。まあみんな早いテンポでよく動く。バンバン踊る。湯浅永麻さんは小柄だけれど、腰の据わったダンスですごみがありました。昨年のさいたまトリエンナーレの企画で、古い日本家屋できつねの面をかぶって踊ったソロダンスがインスタレーションも含めて印象的でした。

 

もうだいぶ前から欧米で生まれたダンスより日本やアジアの舞踊に興味が移っていて、踊りだけでなく、やっぱり自分は日本人でもあるし、日本の伝統芸能や民俗芸能が生まれた歴史などにも興味が向いています。

 

前橋にいると日本の伝統芸能に生で触れる機会がなかなかないんですけれど、今週は来週末の準備の合間を縫って、鼓動名誉団員の小島千絵子さんの民族舞踊ワークショップと女優で薩摩琵琶演奏家の川嶋信子さんによる「琵琶の響きと『平家物語』の世界」と題した県立前橋清陵高校での特別公開授業に参加してきました。

 

小島さんのワークショップでは3種類の踊りを習いました。即興メインのわたしには決められた振付を踊ることは、お手本通りにできているかいないかがすごく気になってしまうんですけど、日本的な所作を体感しつつ自分の踊りに活かせるところもあるので、こういう踊りにはもっとアクセスする必要があると思っています。

https://www.facebook.com/ラカカレン-小島千絵子-民俗舞踊ws-群馬-132689927469198/

 

川嶋信子さんの公開授業は清陵高校の生徒の古典の授業の一環として一般の人にも公開したもので、生徒が教室の前のほうの席に座りわたしたち一般の人たちは後方の席に座って聴講するスタイルでした。休み時間には生徒が廊下を歩いているし、こうして高校生と一般の大人が混在している教室で琵琶の演奏や語りを聴くのは新鮮でした。

 

川嶋さんの琵琶の演奏と語りは、ばちで弦をはじく一音一音に存在感があり、一息で一節を歌いきる肚が座った語りの妙技に聴き入りました。

http://www.igoo.info/schedule_det.php?d=2209

 

石坂亥士さんの神楽太鼓のように日本的でありながら独特のグルーブ感のあるホンモノの演奏と通じるものあるなとふと思うに至ったのでした。

 

琵琶演奏家でパンキッシュな出で立ちが個性的な西原鶴真さんは西洋音楽家とのコラボも積極的にやっていて気になる存在です。

https://www.youtube.com/watch?v=IIgO_iR8cZA

 

亥士さんとは来週11/3に『おとなの遊戯』でまたいっしょにやりますが、先週の10月20日に月イチ程度のペースで行っている「特別擁護老人ホームえいめい」でのワークショップがありました。

 

この日は亥士さんが「今日は神楽太鼓を担いで練り歩きでやる」というので、「お面とかあったらいいですよね」とわたしが言ってみたところ、ちょうどいい具合に施設におかめとえぶすさまのお面があったので、試しにふたりでかぶってやってみたのでした。

 

おかめの起源は、日本神話の女性、日本最古の踊り子であるアメノウズメであるとされるようですが、今回はアメノウズメが乗り移ったかのように、亥士さんの神楽太鼓がいい塩梅に鳴り響く中、いつも以上にわたしははっちゃけて踊ってました。

 

 

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以下の2枚の写真は先月の様子ですが、こうして亥士さんとお年寄りがいっしょに神楽太鼓を叩いたりすることもあり、相互のコミュニケーションをとりながらワークを進めています。アーツ前橋「表現の森」の特設サイトにえいめいでのワークショップのレポートが掲載されています。

https://www.artsmaebashi.jp/FoE/projects/project01/

 

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介護士さんの話によると、特養の施設にいるお年寄りの方は程度の差こそあれ認知症を患っている方が多数を占め、また、短期記憶すら保持できない方が多いようで、我々がやったことを憶えている方は70~80名ほどの利用者さんの内の10名程度ではないかということでした。

 

確かにお年寄りに近づいて踊ったり声をかけたり、身振り手振りをしながら様子を伺ってみると、笑ったりしゃべったりのはっきりとした反応を示してくれる方がいる一方で、無表情でまったく反応のない方もいらっしゃいます。

 

そのような目に見えて反応を示さない方にも、亥士さんの叩き出す太鼓や打楽器の音や音波はお年寄りの方たちの耳や皮膚や身体に届いているはずですし、ちゃちゃを入れるわたしの動きが目に飛び込んでいると信じて次回も訪問したいと思っています。

 

11月はお休みで12月に伺うので、次回は🎅サンタ神楽にしようか!などが案として出ましたが、さてどうなることやら、、、