山縣太一×山賀ざくろ 演劇公演『ヤマガタヤマガ』全日程終了いたしました。

 

千秋楽から少し日にちが空いてしまいましたが、先週の土曜日をもちまして山縣太一×山賀ざくろ 演劇公演『ヤマガタヤマガ』全日程終了いたしました。この企画をまちフェス2016の事業として採択してくださった実行委員会のみなさま及びスタッフのみなさま、おかげさまで無事に公演を行なうことができました。ご来場くださいましたみなさま、どうもありがとうございました。1週間のリハと1週間の本番にマンツーマンで関わってくれた山縣太一くん、どうもありがとう!!また、紺屋町会館を2週間の長期に及ぶ期間貸していただきました会館管理の平野さん、照明関連機材提供の坂川さん、日替わりで当日の受付などのお手伝いをしてくださいましたみなさま、どうもありがとうございました。フライヤーや特設ページのデザインを担当してくれた古屋くんにも深く感謝です!!椎名真義さんデザインの三本脚の赤い椅子は、まちフェスのアイコンとして紺屋町会館前に置かれ、夜にライトアップすると暗い路地裏に赤い色が栄えてきれいでした。

 

ここ数年は、自分で勝手に即興で踊ることしかやってこなかったですし、がっつり演劇作品に取り組むのは実質的には始めての経験で、台本にある台詞を憶えてしゃべるとか、段取り通りに動くとか、普段はやらないことに挑戦できたのはいい経験になりました。わたしの耳に届く範囲では、概ね好評でしたが、最終日に観に来てくれたわたしのダンスを長年見続けてくれている桜井圭介さんや太一くん作品に主演している大谷能生さんからは、厳しいダメ出しや鋭いご意見もいただきました。そういうところは自分でもうなずけるところであり、もう一度太一くんに関わってもらって、再演するなどの機会を持つことも考えたいと思っています。太一くんとしても不満足なところが多々あったようですし。

 

ところで、太一くんが長年俳優として出演していた演劇ユニットのチェルフィッチュのことを前橋やこっちで演劇をやってる人で知ってる人があまりいないことを知り軽くめまいがしました。まあ、別に知らなくてもいいんですけど、だとしたら平田オリザも知らないんだろうか。そして飴屋法水いわき総合高校の生徒と校庭で上演した「ブルーシート」が岸田國士戯曲賞を受賞したことなんて、もっともっと知らないんだろうなと思うとやっぱり少し憂鬱な気分になります。いややっぱり別に知らなくてもいいんだけど。でもやっぱりね。そんなわけで、こっちでいわゆるアマチュア演劇をやってる人とか、そういう演劇を観に行ってる人とかがほとんど『ヤマガタヤマガ』を観に来なかったというのが、前橋の演劇状況なんでしょうね。って別に観に来なくてもいいんですけど。

 

そんな中、前橋の某高校演劇部では、顧問の先生が今年の新年度が始まったときにチェルフィッチュのいくつかの上演作品のDVDを見せたところ、それにはまってしまった部員がいて、9月の地区大会でチェルフィッチュにもろ感化された作品を上演して、まったく評価されなかったらしく、後日わたしはその高校に伺って通しリハを見せてもらったのだけれど、確かにもろチェルフィッチュだったけれど、高校生らしくてとても好感の持てるみずみずしい作品でしたよ。そういうことと今回太一くんを招聘して演劇公演をやったことがグッドタイミングだったわけで、その高校の演劇部の生徒で『ヤマガタヤマガ』を2回観に来た1、2年生が何人かいたり、フライヤーを見て来たという別の高校の演劇部の男子や母娘で来た高校生がいたりして、こういう子たちがまずは地元の演劇シーンに何かをもたらす存在になる可能性があるような気がして期待しています。

 

また、打ち上げに参加してくれた前橋の演劇関係の男子数名に、太一くん、桜井さん、大谷さんが(酔っぱらいの戯言かもしれないけれど)いろいろと焚き付けてくれたようで、結局のところ、高校生にしても、そういう場作りの役割をわたしが担っているんだなと思うと、年の功っていうか、中年のバカものとして、地元の若者とよそ者を出会わす機会をもっとつくらないとなと強く思う11月の2日の深夜なのです。ヨソモノ ワカモノ バカモノ ガ セカイ ヲ ツクルヨ!!

 

ところで、1030日(日)には木馬祭りに参加しました。結局、木馬音頭はわたしひとりが歌っただけだったんですけど、水曜日に作曲して日曜日に人前で歌うという荒技も、なんとか場を盛り上げる一躍を担えたようで一安心しました。来年は白川さんに2番3番の歌詞を作ってもらい完成した曲として他の人(民謡がめちゃくちゃうまい女子や子どもとか)にも歌ってほしいし、振りを付けてみんなで踊るのもいいでしょう。そして木馬踊りでは、ふたりが対面してダンスバトルのように踊るところがめちゃくちゃおもしろくて、踊りがまったくの素人であるが故の制御できないちゃんと踊れない危うい逸脱した身体がその人の個性を際立たせてしまうところにリアリティーがあってつい笑ってしまうのです。

 

※日曜の木馬祭りのことは、『45日刊新聞』の111日号で記事になっています。写真の左側で背中を向けているのが石坂亥士さん、中央の男の子が亥士さんの甥っ子、右がわたしです。

http://igoo.info/45days/wp-content/uploads/2016/11/ISSUE41_1101.pdf

 

日曜の夜には松原東洋さん率いるトンデ空静のオリオン通りでの路上公演を観に行きました。そこでは長谷川宝子さんの踊りがいちばん目を引きました。やっぱりいいダンスはいいね。もっと観ていたいなと思いました。舞台芸術に関わっている人はこういうのにアンテナ働かせてちゃんと観ないとね(手前味噌ですけど『ヤマガタヤマガ』とかもですよ)。東京に行かなくたって観られるんだから。人の好みはいろいろでしょうが、まだまだ前橋の人の感度は鈍いんでしょうか。もったいないことです。